絶対に出る家/怖い話

怖い話・怪談

元同僚のNさんから聞いた話。

Nさんが小学校に上る前くらいまで住んでいた家の話を聞かせてくれたんです。
何でも、その家は『絶対に出る』んだそうだ。
最低でも3人はいる。実際はもっといたらしいのだが、常時いるのは3人。
姿は見えないが気配はする。
そして、その家に住んでいるNさんを始めとした家族に対して、呼びかけてくるらしい。
それも家族の真似をして。

Nさんの家庭は両親と祖父母が一緒に住んでいたそうで、その体験はその家に住んでいる誰もがしていて、もはや慣れっこになっていた。ある意味生活の一部になっていたんです。


ただし、一つだけ気を付けなければいけないことがあった。
呼ばれても返事をしたり、振り向いたりしてはいけない
つまり、反応してはいけないんです。


反応すると良くないことが起こるらしい。
良くないことはどんなことなのか?
幼いNさんは両親に尋ねたことが事があるのですが、詳しくは教えてもらえなかったそうです。
でもよくよく思い出してみると、その家に住んでいた頃は「よく家族が大きめの怪我をしていた記憶がある」とNさんは教えてくれた。いつも家族の誰かが、何かしら怪我をしている。

そんな家に住み始めてから何年か経った頃。
両親と祖父母が何やら相談して、とうとう家をお祓いしてもらうことにしたらしい。
幼いNさんがいるのに、このまま暮らすのは危険だと思ったんでしょうね。
神社の方を呼んで、結構しっかりとお祓いをしてもらったんだそうです。

写真AC

で、その後はぱったりと出なくなった。
(あー、上手くいったんだなー)と思ってしばらくは安心して暮らしていたわけです。何事もなく。


そんなこんなで一年後。ちょうどお祓いをしてもらったその日に…また出始めた。
以前と同じように。

どうしようもなくなって、結局Nさんのご家族は引っ越したそうです。
「何なんですかね。気を使って一年間だけ出てこなかったのかな?」とNさんは言っていました。

ところで、その『絶対に出る家』の場所なんですがちょっと特殊な地形らしくて。
新築の家が集まった、ニュータウンみたいな場所だったそうなんですが。
その家だけでなく、周辺の家でもおかしなことが起こっていたみたいです。
例えば、今までそんなことはなかったのに体調を崩しがちになったり、怪我をしたり、家庭内不和になったり…
どうやらその周辺の土地そのものが良くなかったみたいで。

で、後から聞いたんですが、Nさんが住んでいた家の場所。地形が特徴的な高台みたいな場所だったそうなんですが、以前は墓場だったらしいんですね。
ニュータウン開発の際、かなり雑な処理をしていたらしくて、無縁仏なんかをまとめて隅の方に放置していたそうです。

でもNさんのご家族は、どうやらその話を知っていて住んでいたようなんですよねー。すごい度胸です。

そんな場所が、関東のどこかにあるんだそうです。

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